整形外科の看護師の主要な業務は、負傷部位の手当や手術の補助であり、その大半は外科的な医療行為といえるでしょう。
しかしながら、これ以外にも、整形外科の看護師は様々な業務をこなさなければなりません。
特に、介助行為に関わる場面が増えます。
整形外科の患者さんは、手足を怪我した場合、身体が不自由になり日常生活を自力で送ることが困難になります。
足を骨折したり膝や足首の靭帯を損傷したりした患者さんは、自力で歩けません。
松葉杖や車椅子を用いることになりますが、トイレや入浴の際に介助が必要になることも多いでしょう。
手を怪我して物を掴めなくなった患者さんは、食事や書類作成などの時に、他人の援助が欠かせません。
入浴の際に、浴槽に入ることはできても、自力で身体や髪を洗うこともできないでしょう。
こうした場面で、看護師の介助が求められるのです。
シャンプーや食事の介助なら腕力の弱い女性看護師でも問題なくこなせますが、重い患者さんの移動を介助するのは容易ではありません。
身体介護には、力の使い方の点でコツが必要なのです。
看護師はある程度介助技術を学んでいるものの、実際にやってみるとなかなか上手くいきません。
整形外科に勤めることになったら、改めて介護スキルについて学び直すことが望ましいでしょう。
特に、脊椎損傷などで身体が不随になった患者さんに対しては、身体介護だけでなく、メンタル面をケアする心理的サポートのスキルも大切です。
整形外科の看護師は、鬱状態に陥った患者さんの心を支える役割も担うのです。
また、整形外科に勤めるのであれば整形外科と整骨院の違いなどの基本的な情報は知っておく必要があるでしょう。